フットサルをよりエキサイティングなスポーツにする2つの方法。

フットサルは面白い。
もちろんサッカーも面白いが、フットサルも本当に面白いスポーツである。観るのも、プレーするのもだ。

フットサルはしばしば、サッカーと比較される。
これは、サッカーから派生したスポーツだからだ。フットサルの宿命である。

Fリーグなどのリーグ戦を観に行くと、ときには、つまらない試合に当たることもある。
初めてのフットサル観戦で、早い時間帯から大差がついてしまったり、プレイヤーが全力でプレーしているように感じられなかったら、その試合を観た人は、はたして次も観に来たいと思うだろうか。

もちろん勝利チームのサポーターや選手や監督には、そんなことは関係ない。しかし、どちらのファンでもない、ニュートラル(中立)な立場で初めて観戦に来た人が、たまたまいわゆる「間延びした試合」に当たってしまった場合、これからファンになるかもしれない見込み客を、みすみす失ってしまう可能性があるのだ。

ニュートラルな立場のファン予備軍が興奮するのは、どちらに勝敗が転ぶか最後まで分からない、エキサイティングな展開なのである。

そこで、僕が数年来思い描き続けている、フットサルのリーグ戦をエキサイティングなものにするための、2つの斬新なアイディアをご紹介しよう。

賛否両論はあるだろう。
が、こういう発信がきっかけで、議論が巻き起これば本望である。

1つめの提案。勝ちと負けだけあればよい。ただし、PKはNG。

僕は引き分けが嫌いだ。
勝負には、勝ち負けさえあれば良いと思っている。

決着をつける方法には、PK戦があるが、僕はあれも大嫌いだ。
確実に戦犯が出るシステムは絶対に良くない。
多くの場合、リーグ戦には引き分けがあるが、PK戦が無いのがせめてもの救いだ。

勝敗の決着には延長戦ももちろん良いが、もっと話題性のある、斬新な提案をしたい。

コーナーキック合戦をするのだ。

PK戦よろしく、コーナーキック合戦をする。名称はCK戦で良い(笑)。

  • コイントスで先攻後攻を決める。
  • 攻撃側/守備側を交互に行う。
  • コートはハーフコートのみを使用する。(攻撃側ゴールも一応使用する。詳細後述)
  • 1巡目で片方にのみゴールが生まれれば試合終了。
  • 1巡目で同点の場合のみ、2巡目に移る。
  • 攻撃側がピッチに入れるのはゴレイロを除く4名のみで、自陣に入って(戻って)はいけない。
  • 守備側も、攻撃側の陣地には入れない。
  • 守備側のファウル以外のアウトオブプレーになるか、守備側がボールを奪ってロングシュートを攻撃側ゴールに入れる(守備側の勝利要件になる)と、攻撃は終わる。
  • 勝負がつくまで続ける。

一応念を押しておくが、僕は至って真面目に考えている。

もちろん、引き分けにも面白い試合はある。しかし引き分けは、その試合がたとえどんなに素晴らしいゲームだったとしても、何か釈然としない。長いリーグ戦の1試合だから、両者痛み分けに終わる試合もあってもよいのではないかという引き分け肯定派の論理も理解できなくもない。しかしその試合が初観戦なら、「えっ?もう終わり?もうちょっと見たかったな」という思いが残ることだろう。

ちなみに今シーズン、Fリーグで最もエキサイトした同点ゲームを2試合あげるとすれば、この2つ。

僕が最もエキサイトした(どちらもツイッター観戦だが笑)引き分け試合を、2試合をご紹介する。

エキサイティングな引き分け試合 1位: 第13節 名古屋オーシャンズ vs フウガドールすみだ

第13節、小田原セントラルで行われた名古屋オーシャンズとフウガドールすみだの1位・2位直接対決は、戦前の高い期待をさらに上回る激戦の末、5-5で両者勝ち点1ずつを分け合う結果に。両チームがそれぞれの特徴を出し合ったFリーグ史上屈指の好ゲームは、2巡目以降のデッドヒートを期待させるのに十分なものだった。(文・福田悠)

情報源: Fリーグ10年目に生まれた”ベストバウト”。小田原セントラルの首位決戦・名古屋vsすみだの攻防を読み解く。 | FutsalEDGE

エキサイティングな引き分け試合 2位: 第18節 名古屋オーシャンズ vs デウソン神戸


デウソン神戸は後半途中で1-5(4点ビハインド)の劣勢から、パワープレーを仕掛けて4点差を追いついた。最後の同点ゴールはなんと残り時間0秒、試合終了のブザーと同時に決まるという、奇跡的なゴールだった。以下は僕のもう一つのブログでこのブザービートゴールを解説した記事だ。
パワープレー戦術(V字型・角度とスペースとダイレクト) | FUTSALdb フットサルデータベース

どちらの試合も本当に素晴らしい試合だったが、追いついた方も、追いつかれた方も、観客も、どこかスッキリしない感覚はなかっただろうか。エンターテインメントは、終わったときには勝ち負けがついて、喜びや悔しさがしっかりと心に残り、スッキリするべきなのである。

2つ目の提案。複数得点が入れば、間延びした試合にも緊張感が生まれる。

ラグビーやバスケットボール、野球などの試合が面白いのは、ワンプレーで2点以上入る可能性があるからだ。
1点ずつ入るサッカーやフットサルよりも、奇跡の大逆転劇、どんでん返しが起こりやすい。

フットサルはサッカーよりも得点が入りやすいとはいえ、ある程度の実力差があると、リードされてからの逆転は本当に難しい。
ある程度実力差のある試合で、例えば前半4-0とかになると、後半の頭から、負けている方がパワープレーを仕掛けたりする。こういう展開は、正直言ってまったく面白味がない。興冷めするのだ。(中には上述のデウソン神戸のように4点差を追いつく劇的な展開もあるにはあるが。)

そこでだ。提案する新ルールはいたってシンプルだ。

1点でも負けている方の得点を、2点にするのだ。

同点の時は普通に1点ずつ入る。どちらかがリードしているときのみ、負けている方のチームの得点を2点にする。

これで、3点差が、安全圏ではなくなる。
2点差は、リードのうちに入らない。
1点差は、最も危険な得点差になる。

得点経過を想像してみてほしい。
いかにエキサイティングなスポーツになるかを。

フットサルは、サッカーとは別のスポーツである。

もう一度言う。
僕は真剣にこの記事を書いている。

すべての時間帯を、ゴールを奪う目的のために全力でプレーする。時間つぶしのパワープレーなんて、論外になるはずだ。どの試合も、スペクタクルな試合になるだろう。チームをそういう風に仕向けるのは、システムでありルールである。日本が世界基準のフィジカルやスピードを身に着けるためには、もっとハードワークをしなければ勝てないルールにするのが最も手っ取り早い。

これまでは、サッカーの常識でフットサルを考えてきた。それではフットサルは面白くならないのだ。すべてのスポーツを参考にして考えるべきである。
最近話題になったが、万が一サッカーのオフサイドが撤廃されたら、それはもう11人制のフットサルである。「へぇ、サッカーがフットサルのルールを採用したんだ。」という話題になるだろう。

もしも日本初のフットサル新ルールが世界に広がれば、そしてそれがサッカーのルールをも動かすようなことが起こったとしたら、これほど楽しいことはない。

まずは一度、常識を捨ててから、考えてみるべきである。

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。



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