フットサル・試合の心理学

試合の心理学というアカデミックなタイトルで投稿していますが、そんなたいそうな内容ではありません。

フットサルにおいて、自チームの選手やスタッフ、相手チームの監督や選手の心理状態を常に把握するということは、かなり重要なんじゃないかと昔から考えていたので、そこらへんを気ままにつづってみたいと思います。

 どのプレーを選択するか決めているのは、選手自身ではなく、選手が置かれた状況である。

これは、僕が監督をしていて行きついた持論のひとつです。

ちょっと大雑把に書きましたが、選手のプレーの選択は、状況が変われば大きく変化することがあると言いたいのです。

いやいやそんなはずはない、僕は常に自分自身の判断で冷静にプレーを選択していますよという人もいるかもしれません。むしろ、そう言う人のほうが多いでしょう。

では問題です。

あなたが幸運にも、2対0(攻撃側2人に対し、守備側のディフェンダーが0人)のカウンターアタックのチャンスに遭遇したという状況を想像してみてください。敵はゴレイロひとりだけです。実際の試合では、40分間に1~2度、あるかないかぐらいのビッグチャンスです。

下図の青の①があなたです。
これ以上の見せ場はありませんね。いや逆に、これを決めなければ恥ずかしいぐらいのチャンスです。その事実が、逆にプレッシャーになるかもしれません。

2対0のカウンター

相手ゴレイロが、あなたが運んでいるボールに寄せてきたら、あなたはどうしますか?

  1. 味方②にパスを出しますか?
  2. ドリブルでゴレイロをかわしますか?
  3. 思い切ってシュートを打ちますか?

多くの方が、Aと答えます。②にパスを出します。
パスが通りさえすれば、②は決めて当たり前です。万が一外せば、②にもあなたにも悔いが残ります。

どんな状況でも、あなたは②へのパスを選択しますか?

この試合が、昇格も降格も関係ないリーグ戦の最終節だとします。リーグ戦のタイトルも、その次につながる大会への出場権もありません。いわゆる消化試合です。

ところが、あなたにとっては消化試合ではありませんでした。

あなたは現時点で得点ランキング2位です。1位とはたったの1点差。あなた自身がゴールを決めれば、1位タイ。追いつきます。初めての得点王になれるのです。

それでも、味方②にパスを出しますか?

②がベテランで、空気を読む気の利いた選手なら、もう一度リターンパスが返ってくる可能性はあります。では②が、手柄に飢えた若い選手だったら?

スコアは2-2の同点、後半残り1分を切っています。ここでゴールを決めればヒーローです。あなたはそれでも、リターンパスを期待して②にパスを出しますか?

おそらく、競技選手の半分ぐらいが、②へパスを出すと答えると思います。

最善の策が②へのパスなら、僕はどんな状況でもパスを出しますという選手が、世の中には多いです。それが、尊敬すべきアスリートの姿です。

実際はどうか。

2-2の同点、後半残り1分を切っていて、最終節、得点王争いが懸かっていて、しかもあなたが現時点で得点王に1点負けている状況だとしたら、本当のところは、どうするでしょうか。

あなたはきっと、②にパスを出しません。いや、自らの意思でパスを出さないのではなくて、出せないのです。多くの選手には、②の存在がこの時点で見えていません。選択肢として、②へのパスという選択肢は存在しないのです。

決めれば得点王という、この先そんなチャンスが訪れるかわからないぐらいの特別な状況は、自分自身がシュートを打つという選択肢以外を無意識に脳から排除するような心理状態にさせるだけの力を持っているものなのです。

つまり、心理状態によって視野が狭くなったり、選択肢が減ったりするということは、ごく一般的に起こりうることだということです。

 

どんな状況に置かれているかをあらかじめ客観的に把握しておくことは非常に大切。

たとえば上の例のように、あなたに得点王争いが懸かっていて、チームが消化試合という条件の場合のもっとも良い展開はなんでしょうか。

あなたが②にパスを出して、②があなたにリターンパスを返して、あなたが得点王になり、しかもチームは勝利するという展開。これが最高のシナリオです。そんなシナリオを描くためにはどうすれば良いか。

望ましいのは、ミーティングで監督がこう選手達に伝えることです。

「今日はこのチームで戦う今シーズン最後の試合で、どうしても勝って終わりたい。が、もうひとつ、①の個人タイトルが懸かった試合でもある。もちろんチームの勝利も大事だが、俺は①に得点王を取らせたい。だからみんな、もしもシュートチャンスがあれば、①にラストパスが出せる選択肢がないか、視野を広げてみるというのを、この試合のテーマにしてみよう。」と。

 

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。



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