選手とレフェリーは対等。良いレフェリーの条件。

先日観戦に行った関西フットサルリーグでは、レフェリーの年齢層が以前と比べて明らかに若返っていました。

レフェリングの巧拙と年齢は関係ないというのが僕の持論ですが、経験が浅いせいか、ゲームコントロールの面で未熟さが目につく場面が何度かありました。

レフェリーの評価は全体をひとまとめにされてしまう

1試合に何度か、「あーあ。」と残念に感じる場面があっただけでも、それがたとえ1人のレフェリーだけ(フットサルは通常、主審と副審が両サイドラインに1人ずついる)の事であったとしても、「あの試合は審判がひどかった」という全体的な評価になり、ひいては、「関西リーグは審判がひどい」という風評が流れてしまうことがあります。

サッカー日本代表大迫選手のPK(?)疑惑。

昨日(2017.6.13)のサッカー日本代表のW杯イラク戦では、大迫選手の相手ペナルティエリア左側での相手DFとの競り合いのシーンで、笛を吹かなかった中国人主審に対して、日本の解説者は「PKだろ!引っ張ってるよ!」と怒っていました。(※)翌日の今日あたりは、中国人審判団をひとまとめで非難するような記事が、いろんなところで書かれることでしょう。

※僕はあのシーン、パスが出た後のポジション争いの際に大迫選手が相手DFを右手で抑えすぎているようにも見えて、最終的に大迫選手が前に出られたのでDFがファウルで止めたのですが、レフェリーは喧嘩両成敗でファウルを取らなかったように感じました。正しいかどうかは分かりませんが。

1シーンをもって全体を評価するのは間違い。でも・・・。

たった一つの局面のジャッジミスを見て、このレフェリーは本質が見えていないと判断するのは、間違いだと思います。しかし、そういう小さいミスが重なると、最終的に「この試合は審判が酷い」という評価になりがちなのは人間の心理でしょう。

ピッチ上で闘志むき出しで戦っている選手ならなおさら、ジャッジに対するフラストレーションがつのると、それが表に出てしまうのも仕方のないことかもしれません。

 

”わかっている”レフェリーとは

ではどんなレフェリングが良いのでしょうか。
僕がフットサルの監督としてテクニカルエリアから多くの試合を眺めてきた経験と、ピッチ上でレフェリーとの駆け引きをしてきた経験、そしていろいろなレフェリーの方々とオフザピッチでお話させていただいた中で分かってきた私見を、書いてみたいと思います。

レフェリーに最も必要な学問は、心理学である。

選手の心理、監督やベンチスタッフや交代要員の心理をいかに理解しているかということは、円滑なレフェリングに欠かせないことだと思います。

僕は心理学を体系的に学んだことはありませんが、フットサルのレフェリーでFIFA(国際審判員)まで上り詰めた4人と、ピッチを共にしたことがあります。彼らに共通しているのは、相手の心理状態を常に考えた立ち居振る舞いや声かけ、時には演技やジェスチャーをまじえたレフェリングをしているということです。

具体的な良いレフェリングのポイント

  • わかっている(ちゃんと見えている)ように見せている。
  • コミュニケーションよりも先に権力を行使しない。
  • 選手や監督の怒りを沈めさせる、異議を諦めさせる鉄板の流れを持っている。
  • 表情にコントラスト(ギャップ)がある。
  • 選手や監督を、フットサルの仲間とみなしている。
  • 自分のミスは、認める。

レフェリーがその試合を掌握できる瞬間が、必ずおとずれる。

これはサッカーのJ1担当審判員の方から教わったお話ですが、レフェリーがその試合の主導権をグッと手元に引き寄せることができる瞬間、場面が、必ず訪れるそうです。そのタイミングが開始早々なのか、前半の半ばなのかは分かりませんが、そのタイミングにがっちりと試合のレフェリングポイントを掌握できれば、レフェリーの勝ちですね。

例えば暴言に対して

例えば判定に不服のある選手が、「おい!(ちゃんと)見ろよ!」という暴言を吐いたとします。

ここで、すぐさまイエローカード(警告)を出すレフェリーは二流。

まずその選手を呼んで、「今なんか聞こえたけど、なんか言った?」「おい、見ろよ!って聞こえたけど、そういう言い方はリスペクトを欠いてるよね?違う?」と、わざと時間をかけて話せば、ほかの選手も集まってきます。

すると、選手の中には、「この審判はちゃんと見てる」「話のわかる審判だけど・・・」「次言ったらカードが出る」という意識が芽生え、それはピッチ全体に伝わります。

あるいはミスジャッジに対して

マイボールを相手ボールにしてしまったとか、こちらの得点チャンスでの相手ファウルにアドバンテージ(「プレーオン!」と叫ぶあれです)を取らずに笛を吹いてしまったなどの小さなミスに対して、選手やベンチが不満を表すことは多々あります。それに対して、レフェリーに「ごめん」と言われたり、「ごめん」のジェスチャーをされると、許したくはないけど(しゃーないか)というように、怒りの感情はしぼんでいきます。これもまた、レフェリーの技術のひとつですね。

 

まとめ

技術や経験的に未熟であったとしても、選手もレフェリーも、人として対等です。
それぞれが切磋琢磨して技術を磨き、レベルを向上していくために、人としてリスペクトしあう存在でありたいものですね。

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。



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