いつもツイッターでお世話になっている@leighbhroganこと加藤さんが、前回の記事「1日に55ゴールを生で見たことがありますか?」をご覧いただいて、Fリーグ府中アスレティックFCの今シーズンの全73ゴールと全48失点について、ゴールのオープニング(始まり方)を集計してくれました。
本記事に刺激を受け、アスレの今季ここまでの73得点/47失点を集計してみました。「上のカテゴリーほどカウンターの割合は減る」という仮説を支持できそう?
それでもやはりカウンターが最上位要因ですね。
(アスレだけでFリーグ平均を判断していいかという問題もありますが、保留。笑) pic.twitter.com/xpyAv5S0G4— Kato, Takuya (@leighbhrogan) 2017年9月29日
府中の18節までの成績を確認すると、得点73、失点48だったので、試合のハイライトに1ゴール省略されてたのかなと思っていると、すぐに訂正の追記が届きました。
すみません!
なんとなく見直していて、1失点、数え落としがあるのを見つけました。
掲載の場合はこちらの訂正版をご使用くださいますでしょうか。お手数おかけします! pic.twitter.com/TAnuP5y7hr
— Kato, Takuya (@leighbhrogan) 2017年9月29日
なんと律儀な方でしょうか(笑)
リーグ戦のレベルが下がるとカウンターが増えるという木村の仮説。
カテゴリが下がるとプレスラインは下がる傾向にあって、セットプレーの精度は落ちる傾向もあるので、カウンターの割合は増えると思います。これも仮説です。
— 木村悟 (@bc_squeeze) 2017年9月28日
逆に言えばカテゴリが上がるとセットプレーの精度が上がるため、セットプレーによるゴールの割合が上がり、その分カウンターの割合は下がるのではないかと。確かにFリーグではセットプレーからのゴールの多さが目立ちます。
この仮説の検証をしてくださったのが、加藤さん。
ハイライト映像を全て見て集計してくださったとのことです。素晴らしい熱意ですね。
上の画像を表に起こしてみました。
攻撃の種類 | 得点 | 失点 | |||
ゴール数 | 割合 | ゴール数 | 割合 | ||
1. ポゼッション(相手陣地・定位置攻撃) | 15 | 20.5% | 9 | 18.8% | |
2. カウンターアタック(反撃・逆襲・速攻) | 20 | 27.4% | 16 | 33.3% | |
3. セットプレー(CK・FK・キックインなどのプレースキック) | 14 | 19.2% | 7 | 14.6% | |
4. プレス回避(自陣からプレッシャーを回避してのゴール) | 12 | 16.4% | 7 | 14.6% | |
5. イレギュラーなプレー(PPやPP返し、PKや第2PK、退場時の4対3など) | 12 | 16.4% | 9 | 18.8% | |
5a. | パワープレー | 3 | 4.1% | 6 | 12.5% |
5b. | パワープレー返し | 6 | 8.2% | 2 | 4.2% |
5c. | 退場後の数的優位 | 1 | 1.4% | 0 | 0.0% |
5d. | PK | 0 | 0.0% | 1 | 2.1% |
5e. | 第2PK | 2 | 2.7% | 0 | 0.0% |
合計 | 73 | 100% | 48 | 100% |
府中がFリーグの平均なわけではないけれど。
府中は誰もがご存知の通り、強いですよね。平均的な強さではないです。明らかに上位チームです。
今シーズンのFリーグはカウンター主体のチームが数チームあったり、戦術的に府中は12クラブの中でもポゼッションに長けているということも考えると、一概に府中だけの数字を見てFリーグを語るのは危険ではありますが、上の表の右側の数字(失点)は、府中以外の11クラブの得点であるわけです。やはりFリーグでも、ポゼッションからのゴールは20%程度に収束するとみて良さそうです。(仮説の域を出ませんが。)
Fリーグ(府中)と地域リーグ(関西リーグ)の比較。
上の表と前回の関西リーグ(前回の記事参照)の割合を比較してみました。
攻撃の種類 | Fリーグ(府中の得点) | 関西リーグ |
1. ポゼッション(相手陣地・定位置攻撃) | 20.5% | 21.8% |
2. カウンターアタック(反撃・逆襲・速攻) | 27.4% | 43.6% |
3. セットプレー(CK・FK・キックインなどのプレースキック) | 19.2% | 10.9% |
4. プレス回避(自陣からプレッシャーを回避してのゴール) | 16.4% | 12.7% |
5. イレギュラーなプレー(PPやPP返し、PKや第2PK、退場時の4対3など) | 16.4% | 10.9% |
どうやらカテゴリが上がるとセットプレーが増え、カウンターが減るという僕の仮説は、このサンプルだけ取ってみると、正しかったようです。
本来はプレス回避もポゼッションと呼びたい。
ハイプレスの回避からのゴールもポゼッションだろうというご指摘がありそうですが(僕もそう呼びたいのはやまやまですが)、いまだに1試合を通してハーフラインからの守備を徹底してカウンター主体の戦術を取るチームがある以上は、これを分けるべきであると僕は考えています。
全日本選手権やプレーオフなどの一発勝負、あるいはアジア選手権やワールドカップなどレベル差のはっきりしている試合ではカウンター狙いも良いですが、せめてFリーグのレギュラーシーズンではどのチームもフルコートでバチバチにやりあうプレスの掛け合いを見たいと思っています。なぜなら、それが日本代表のレベルアップにつながると信じているからです。
スペインやブラジルのリーグ戦も見ていただきたい。
スペインのLNFSやブラジルのリーガを見ていると、激しいプレスとカウンターの応酬に、まずは圧倒されます。
そして、強度のプレッシャーの中で繰り出される素晴らしい技術に驚愕するでしょう。
いつかFリーグもLNFSやリーガと肩を並べるぐらいのレベルになって欲しい。
そうなれば施策がどうのこうの言わなくたって、お客さんは入るはずです。
現在ではFリーグ各クラブに優秀な外国人選手が来ていることで、その下地は出来つつあるのです。
降格も無いリーグなのに、ドン引きのディフェンスをしている場合ではないと感じたことがあるのは、僕だけでしょうか。ちなみに関西ではこのドン引きのディフェンスを、「ウンコ守り」と呼びます。
さらに上のレベルになると、カウンターが多くなるように見える。
激しいプレスからのショートカウンター。カウンターを防いでのカウンター返し。強度のプレスを回避しての数的優位の速攻。これらの目まぐるしい展開を見ていると、全部カウンターアタックの応酬のように錯覚します。本当に息をつく暇もないというのは、そういう試合です。Fリーグをそのレベルまで上げなければ、スペイン・ブラジルはもちろん、イタリア・ロシア・ポルトガル・イランなど世界の強豪とは戦えません。
強豪国と言われる国のプレッシャーに比べると、日本はスピードも強度もまだまだまったく及ばないと感じます。
いや、やればできるはずなのに、やっていないんだと思っています。
日本が世界の強豪と呼ばれる、そんな日を夢見つつ、これからのFリーグを見守りたいと思います。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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