シュライカー大阪の強さの秘密。

2016-2017シーズンのFリーグで優勝したシュライカー大阪の選手交代が、シーズン中に各方面で議論されていた。

FPを7人程度のローテーションで廻すことを基本としていたのだ。

多くの競技チームを見ている方なら、なんら特殊な采配ではない。
しかし、登録選手が18名~20名ほどで構成され、セット分けしてセット毎に交代する方法を採用しているチームが多いFリーグでは、珍しい交代法だ。

少数精鋭のローテーション

シュライカー大阪の攻撃の基本戦術が3-1ピヴォ当てを主体としている時点で、この少数精鋭のローテーションはとても理にかなっていると言える。

大阪の3-1システム

大阪の3-1は、生粋のピヴォ+生粋のフィクソの縦軸にアラ2人という、いわゆる固定型の古典的な3-1ではない。

ピヴォアラ、アラフィクソ、もしくはピヴォアラフィクソという、ポジションを入れ替えた形でも十分に機能するどちらかというとオールマイティな選手が、大阪には多い。

オールマイティなピヴォがいるからこそ生まれた、理想的なチーム。

俯瞰でピッチを把握して、次の展開をイメージしたポジションでボールを受け、自身でもゴールを決められて、味方を活かすためのスペースを作り、周りを使うのも上手い。機動力があって、守備の意識も高い。そういう、生粋のピヴォではないピヴォがいる。

オールマイティなピヴォと言われて僕が連想するのは、相根澄氏や高橋健介氏、関西でいえば丸山哲平氏などだ。既に全員引退しているが。木暮監督自身も、選手時代そういうタイプのピヴォだった。僕自身、そういうオールマイティなピヴォの選手のプレーを見るのが大好きだ。

今季のシュライカーでいえば、ヴィニシウス選手やチアゴ選手、永井選手がそうだと言える。

フィクソもオールマイティになる。

ピヴォに機動力があると、必然的にフィクソも機動力が必要になる。

ピヴォが自分の動きを常に見てくれて、時にはシュートを打たせてくれるのだ。プレーしていてこんなに楽しいことは無い。アルトゥール選手や田村選手、佐藤選手などがそうだろう。

大阪の少数精鋭、オールマイティ3-1のメリット

最大のメリットは、連携の深さ。

大阪の攻撃の多くは、アドリブでの個人戦術の組み合わせのように見える。
ほとんどが2人の関係、多くても3人の関係でシュートまで持っていく。
少人数で回すことで、味方の癖やストロングポイントを全員が把握している。高いレベルで阿吽(あうん)の呼吸が生まれ、連携は確実に深まる。

リスクが圧倒的に少ない。

攻撃時、常に最低でも1人がバランスを取れるポジションにいる。
したがって、超数的不利(1対3など)になる場面が、他のチームに比べて極めて少ないのだ。

守備ラインを高く保てる。

オールマイティで機動力のある選手が多い大阪は、攻撃が終わった瞬間すぐに高い位置で守備に切り替えることが出来る。これは相当なメリットである。

苦手な対戦相手が少ない。

日本国内なら基本的に、どんな相手とでも優位に戦えるはずだ。
戦術的な欠点がほとんどない。

ブラジル人3人が、本当に素晴らしい

ブラジル人3人の得点力がよく取り沙汰されるが、本当に素晴らしいのは、彼ら3人の人格であると思う。
チームメイトをリスペクトしているし、ファンを大切にしている。

もちろんブラジル人だけではなく、彼らを取り巻く日本人選手も、真面目で応援しがいのある選手ばかりだ。

まとめ

長いリーグ戦を少数精鋭で戦うという木暮監督の覚悟は、相当なものだったはずだ。

 

所属選手の半分が、活躍のチャンスを奪われるのだ。
監督を恨んでしまう選手もいるだろう。

もしもシーズン途中に成績が下降していれば、批判の目は確実に自分に注がれ、そしてチームが崩壊しかねない。

そのリスクを取ってでも、Fリーグの歴史を変える覚悟をもって33試合+2試合を戦った木暮監督。
彼こそが真のプロフェッショナルだと僕は思う。

そして、木暮監督のこの覚悟こそが、シュライカー大阪の強さの秘密であろう。

 

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。



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