今まで長年フットサルを見ていて、2度だけ感じたことのある種類のワクワク感が、そこにはありました。
ここは大阪府豊中市のとある体育館。
関西リーガーが数人と、ほとんどが府県リーグの1部から3部の選手、さらにはエンジョイプレイヤーや高校生もいる、枝D(エダディー)クリニックでのことです。
2度感じたことのある種類のワクワク感とは。
1度目は2006年頃のプライアグランジでした。
東海フットサルリーグの上位に毎年名を連ねていた強豪が1試合を通してかけ続けるハイプレスは、敵ながらものすごい圧力。東海道を通って東から西に伝えられたハイプレス。遅ればせながら関西にもフットサル新時代—ハイプレス時代の到来—つまり僕の好みではないリアクションフットサルが、いよいよ終焉することを意味していました。そのプライアのハイプレスを目の当たりにしたときのワクワク感。
2度目にこの感じで胸が躍った瞬間は、2011年と2012年、23歳以下の若手のみで男子の京都府選抜を組織すると決めたときの、選抜選考会(セレクション)でした。ほとんどが府リーガーで構成された、モチベーションが高く疲れを知らない若い選手たちは、監督からの「オール前プレ、すべてマンツーマンで。ファーストディフェンスは縦切り、ケブラには強く行って。」というあまりにも大雑把な指示に、忠実に応えてアピールしようとしました。無尽蔵のスタミナとポテンシャルを持つこの子達が、もしもひとつのチームでプレーしたら、3年後にはとんでもないチームが出来上がるだろうなと。そのときのワクワク感。
枝Dクリニックの終わりのゲームで感じた、同様のワクワク感。
参加者の年齢層は、高校生からアラフォーまで、まさにバラバラ。所属チームも所属カテゴリも、まるでバラバラです。女子もいます。関西リーガーからエンジョイプレイヤーまで混在する、初対面の人たちで構成されたチーム同士のゲームで、なぜ上の例と同じようなワクワク感が生まれたのでしょうか。
守備が主導権を握るプロセスを自然と作ることができた。
そのゲームでは、守備が主導権を握っていました。
守備が主導権を握るとは、どういうことでしょうか。
ファーストディフェンスが相手の利き足から切って、相手を苦手な方向へ追いやり、あわよくば枝Dを出せる間合いを取ろうとするのです。それが自然と、良い「寄せ方」になっていること。セカンドディフェンスは自分のマークを捨てず、ボールへの執着心もほどほどに、次にボール保持者が向かうであろうコースへ面を作ります。それが絶妙なカバーリングの体の向きとポジショニングになっているわけです。
つまり、クリニックの中で個人レベルで教わったことを全員が実践し続けているだけで、具体的に意識しなくても、守備が常に主導権を握ることができるのです。初めて会う選手どうしでも、息の合った良いチームが自然と出来上がったのです。
面白い攻守の切り替えが生まれる。
枝Dは常に、次にカウンターに繋がるボールの残し方を追求し続ける守備理論です。つまり、良い状態のトランジションが数多く生まれるわけです。チームで枝Dの経験を積めば、「この局面でこのマッチアップなら、中西または縦山で必ず奪える」という確信を持つことだってできるかもしれません。守備で主導権を握ってカウンターを狙い、ポゼッションでも主導権を握る。これが本当の意味の、試合をコントロールするということでしょう。
枝Dの導入部分のクリニックだけでこの成果。
今回の枝Dクリニックは、枝Dの導入部分。つまり入門編です。
導入部分だけでも全員が劇的に寄せがうまくなり、ゲームがスペクタクルで魅力的なものになりました。寄せ集めの初対面の選手同士のチームで。
ですからこのワクワク感は、最初に挙げた2つのワクワク感よりも遥かに上をいっています。最初に挙げた2つの例は、すぐに5ファウルが貯まりました。第2PKで試合が決まることもありました。激しさと強さと決まり事だけが先行していた部分があったのです。
枝Dは上達すればファウルにならず、より緻密で、より論理的で、より理解しやすく、そしてより驚きのある理論だから、寄せ集めでもこんなに良くなるということが分かったからこそ、遥かにワクワクするのです。
人に教えたくなる枝D。
僕は枝Dクリニックをやってくれた内田淳二選手と2日間、ほぼ一緒に行動しました。内田選手の口から湧き出てくる軽妙で斬新な言葉の数々。魅力あふれる彼の人柄に、すっかりファンになってしまいました。
週末に妻と3人の子供たちを放ったらかしにして、それでも快く出迎えてくれた妻に、—僕自身は受講せず見ていただけでボールに触れていなかったけれど— 枝Dのうちの中西・縦山・間(ハザマ)を解説しながらかけてあげました。我が家のリビングでスーパー枝Dを三連発で喰らいながら妻は、「なにこれ!?」「そら夢中になるわな(笑)」と、枝Dの価値を認めてくれたのです。
枝Dは知れば知るほど、人に教えたくなってウズウズするのです。
枝D関西支部が発足するとかしないとか。
次の枝Dクリニックin関西を、今年の夏にするとかしないとか、関西支部を作るとか作らないとか、昨日第1回目が終わったばかりなのに、そんな話が持ち上がっています。つまり、それだけ熱量が高いということです。熱量=価値です。枝Dの価値は大体分かっていただけましたでしょうか。
フットサルタイムズの北谷さんが、今回の枝Dクリニックin大阪のレポートを書いてくださいました。
北谷さんも僕と同様、はるか昔から競技フットサルにどっぷり浸かって、見続けてきた方です。要するにそういうことです。期待以上なのです。
『期待したけど、期待以上だった』枝Dクリニック in 大阪レポート(フットサルタイムズ)
枝Dへのお問い合わせは、内田淳二選手の深爪通信まで。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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