前章では、日本の下位リーグにプロフェッショナリズムを植え付ける必要性とその方法を説いた。
前の章:日本列島フットサル改造論 / 第3章 プロフェッショナリズムを植え付ける方法。
今回は、現在の地域リーグや都道府県リーグで実際に行われているフットサル競技の問題点について、ひも解いてみようと思う。
フットサルは角度のスポーツ
表題は、現フウガドールすみだの須賀雄大監督の名言である。
(須賀さんご本人に引用許可いただきました。ちなみに須賀さんの本は「フットサル超必勝バイブル」の方は5年ほど前に買わせていただいたのですが、「フットサルで日本一になったチームが本当にやっている14の秘訣」の方はまだ読んでないので、また買いたいと思います。)
じつは僕も監督時代、常々、「角度」がフットサルに大切な要素のひとつだと思っていた。
そんな折に須賀さんのこの言葉を目にしたときは「やっぱりそうか!」と、膝を叩いて喜んだことを思い出す。
幅と角度と速度と奥行き ー フットサルに大切な要素
「酒と泪と男と女」みたいに言いたかっただけではあるが・・・(笑)、それぞれを簡単に説明したいと思う。
「幅」は主にディフェンスの幅。プレスの幅だ。オフェンス時は懐の深さが幅にもなるし角度にもなる。
「角度」はパスコースの角度、トラップの角度、ボールを動かして角度をつくる、体の向き、セカンドポストの角度、ダイアゴナル、ケブラ、カウンター時の角度のつけ方などなど、様々な角度がある。
「速度」もいろいろある。寄せのスピード、判断スピード、切り替えの速さ。ありすぎて書ききれないほどある。
「奥行き」は距離感とか面積(スペース)などだ。特に距離感は大切にしたい。
あともう一つ大切な要素に、「力」がある。
試合時間とコートサイズをそれほど気にしていない、競技フットサルの現状
今の競技フットサル界の問題のひとつに、「試合時間とコートサイズを気にしなさすぎ」という問題があるということを、僕は強調したい。
さすがにFリーグではそんなことはないと思うが、地域リーグや全国大会でも普通に、30分プレイングタイムとか、縦36m×横18mとか、競技を馬鹿にしたような設定で試合が行われている。
時間短縮は恐らく、多すぎる試合数をこなすためやむを得ず、あるいは1日2試合や3試合しなければならない場合に選手の体力面に配慮した施策であろう。コートサイズは使える体育館自体のサイズの問題なので、いかんともしがたいのであろう。しかし、日本の競技レベルを上げるという視点で考えれば、運営者はできるかぎり40分プレイングタイム、40m×20mを守るべきだ。
速度=距離/時間の公式をないがしろにしてはいけない。
例えば、試合が30分経過したときの疲労状態でのプレイスピードや判断スピードと、39分時点でのそれとでは、まったく違う。
チームは40分間を想定してトレーニングするべきだし、当然、試合も40分で行うべきである。
たった4m、たった2mの違いは、大きな距離感の違い。
縦36m×横18m=648㎡
縦40m×横20m=800㎡
エンジョイ層のためのコートならまだしも、競技としてプレイするのに面積にして20%も狭いコートで競わせているスポーツが他にあるだろうか。
前プレ回避の戦術でスペースへの飛び出しを使うチーム、シンプルにピヴォを使うチーム、いろいろあって、コートの広さによって有利不利に大きく関わるのだ。
これだけスペースが違うのに、トレーニングや戦術に影響があることを認識していないのは、運営者のアマチュアリズムを露呈していると言わざるを得ない。
仮に縦が短い体育館を使わざるを得ないとしても、バランスをとって横も短くする理屈も、僕には理解できない。
まとめ
僕は日本のフットサルが世界のトップに君臨することを夢見ている一人だが、こういう細かいところをないがしろにしていては、この夢は絶対に叶わないと10年前から感じていた。しかしフットサルに関わっている時は、批判につながるような発言はほとんどできなかった。
読者の方が何かを感じていただけたら、そして日本フットサル界が少しでも良い方向に進んでくれたら本望だ。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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