かつて関西には、関西フットサルWEBというフットサル情報サイトが存在した。
その中に、「フットサル裏BBS」という2チャンネル風の掲示板コンテンツがあった。
(画像の使用を快く許諾してくださったI氏に感謝。)
関西のあらゆる競技フットサル情報は(時には全国の情報も)この裏BBSに集められ、僕らのような競技フットサルジャンキーは、その掲示板を一度も見ない日は無いほど、いつもこの掲示板を気にしていた。
フットサル界にとっての「必要悪」だった、裏BBS。
匿名掲示板は、表に書き込んだ人の実名が出ないのをいいことに、荒らし行為が横行することがある。
この裏BBSもご多分に漏れず、ちょいちょい荒れた。
現代風に言えば炎上である。
各府県の連盟などの運営に携わる方々も、多くがこのBBSを気にしていた。
実際、京都府リーグの運営に携わっていた僕も、ほぼ毎日見ていた。
京都府リーグで何か問題が発生して京都板が炎上すると、他府県のお偉い方々から「おいおい京都ちゃんとせぇよ」と、よくお叱りを受けたものだ。
自分の評価はもちろん気になる(当然良い評価は無い)が、何より本音が聞けるので、ニーズがはっきりする。
もちろん、書き込みをしているのはほとんどが競技者(リーグ参加者)なので、参加者が何を求めているかの目安となる。
炎上させないコツもあった。
- 試合当日に結果を公式サイトで公開する。
- 大会要項は公開する。
- 抽選や昇格降格などのシステムを公平なものにする。
- 何ごとも余裕をもって前広に告知をする。
上の4つぐらいが、参加者が運営に最低限望んでいるものだった。この4つを守ってさえいれば、そうそう炎上することはない。(守っているつもりでも、僕なんかは随分やり玉にあげられたが。)
公式記録や大会日程、順位などを一元管理するシステム(当初はSimSeed、最近ではFDS(Futsal Data System)と呼んでいる)を採用したのも、元々はこのニーズを満足するためだったのではないかと思える。
裏BBSが閲覧できなくなり、時代はSNSへ
Webサイトが巨大化していくと、個人で対応していては管理が行き届かなくなる。
閲覧者の絶対数が増えると、その分トラブルも多くなる。
裏BBSは徐々に迷走していき、情報の内容は中身の薄い、中傷ばかりになっていった。
そして時代は匿名掲示板から、書いている人が特定しやすいSNSへと移り、いつしかスパム投稿の温床になってしまった裏BBSは、管理者によってそのCGIへのリンクが外されるに至った。
運営が少々手を抜いても、非難されないフットサル界。
競技フットサル界は、とても狭いコミュニティだ。
名指しで運営を非難する記事を、選手やチーム関係者がfacebookなどで投稿したらどうなるか。自分よりもはるかに権力を持つ存在である運営者の中に、数多くの敵を作ることになってしまう。
実際、運営に対する意見や要望はネット上の目立つところには上がらず、たとえ上がってもすぐに消されるようになった。出る杭は打たれるのだ。
裏BBSの衰退に呼応するように、運営は義務感から解放された。
事なかれ主義が停滞→下降を助長する。
ネット上で陰口を叩かれなくなった運営は、成長することを望まなくなる。(頑張っているところももちろんあるし、頑張っている人が沢山いることは否定しない。)
まずはFリーグを盛り上げることが先決で、他は後回しにされた感もある。
都道府県や地域リーグの告知などは、運営がするべきものではなく、チームが自主的に行うべきものという教育が行き届いてしまった結果、チーム間の意識の格差によって足並みが揃わず、より統一性がないように映ってしまう。
運営は「とりあえず大会を開催して試合を行うこと」だけをやっておけば、「予め知らせること」や「結果を速やかに知らせること」を二の次にしても、誰も文句を言えないという状況になってしまったように、僕には映る。
フットサル界が失った必要悪に、僕がなろうと思った理由。
ちょうど1年前、日本フットサル史上最強の代表と謳われた我らがフットサル日本代表が、ウズベキスタンで行われたAFCアジアフットサル選手権に出場して、ワールドカップ出場枠の5位にも入れず、無残に敗れた。
多くの著名なライターの方々が、その原因をいろいろと書いてくださっていて、それらを僕はむさぼり読んだ。
しかし、どんな有名な方のコラムや記事よりも、僕の胸に響いたのは、元チームメイトのゴレイロ、竹内 啓(たけうち けい:現フエルテ大阪)のブログ記事だった。以下はその抜粋である。
・・・前文省略・・・
よし。決めた!誰に伝わらなくてもいいし。ただの独り言でも良い。これからの日本フットサルの方向性を発表します。笑2020年、名古屋で開催されるフットサルワールドカップの決勝戦に、日本代表は出ます!選手。審判。連盟。サポーター。すべの人はこの方向性に向かって、言動を起こしてください!目を覚ましてください!そして自問自答して挑み続けてください。このプレーは日本フットサルが決勝に挑むにふさわしい事か?このジャッジと試合のコントロールは、日本フットサルが決勝に挑むにふさわしい判断か?このリーグ運営は日本フットサルが決勝に挑むにふさわしい運営か?この応援の方法・手段は日本フットサルが決勝に挑むにふさわしいサポートか? どこぞの地域リーグの、一選手である私がそう思って練習・試合に挑みます。1人の小さなアクションが大きなムーブメントを起こす事を信じています。 私でこんな感情を持っているのだから、現役のFリーガーなんてこれとは格違いのモチベーション、エネルギーでプレーに、結果に集中しているはず。またFリーグに関わるすべての方々も同じです。期待せずにはいられない。 4つの分野の方々の全てのゴールがここであれば、ゴールから逆算すると過程はわかりやすい。選手。審判。連盟。サポーター。全員が変わること。挑むこと。これが今の私に思いつく成長への答えです。
情報源: 竹内啓 オフィシャルブログ
この記事を読んで、ハンマーか何かでガツンと頭をどつかれた気がした。
日本代表が敗れたのは、代表選手やミゲルのせいではない。
日本サッカー協会も日本フットサル連盟も、日本全国の地域リーグや都道府県リーグも、競技フットサルに関わる全ての人がマインドを変えなければならない、今のままではいけないということから目を背けてきたツケが、回ってきただけのことだ。
僕は、僕自身が今現状の立場で出来ることがなにか、ことあるごとに考えてきた。
そして見つけた答えが、このブログだったのである。
僕のブログがきっかけになって、少しでも誰かのマインドが変わったら、面白い。
僕がフットサル界の必要悪になってやる、と。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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