2016-2017プレーオフ2ndラウンド[名古屋vs町田]に見る、ミスマッチの作り方。

今日、SuperSports XEBIO Fリーグ2016/2017 プレーオフ 2nd Roundが、東京の墨田区総合体育館で行われた。

名古屋オーシャンズ(年間2位)とペスカドーラ町田(年間3位)。
奇しくも昨年の全日本フットサル選手権の決勝と同カードの対決となった試合は、3-0で町田が勝利し、シュライカー大阪の待つファイナルラウンドへの進出を決めた。

その立役者となったのは間違いなく、先制ゴールの町田10番 森岡薫だ。
前半14分39秒に右サイドから繰り出した強烈なシュートは、この日最も会場を沸かせた。

ミスマッチが生んだ、先制ゴール。

名古屋と町田。
強烈なフィジカルと多彩な戦術、そして強靭なメンタルを持つ両チームにおいて、ミスマッチなど存在しないように誰もが感じるだろう。

しかしそのゴールの少し前にピッチにいた、町田のクアトロセットのボール回しには、ミスマッチを作り出す布石が確かにあった。

町田の3番 森谷、7番 金山、9番 横江、16番 篠崎の4人。この4人のポゼッションは、ボールの動きも速く正確で力強く、名古屋のディフェンスをかき回し、翻弄した。
前半も10分を過ぎ、ボールとピッチの感触や、相手のプレッシャーの強度に慣れつつあるこの時間帯。長年おなじ釜の飯を食ってきた4人のパス回しは、日本で最も美しいポゼッションだった。そしてその運動量は、一時的にではあるが確実に、名古屋の選手の疲労度を上げていた。

この時間帯に森岡選手のいる1stセットに交代して、もしも名古屋のセット替えが無かったら、きっと町田が先制する。僕はそう思った。

8番 滝田、10番 森岡、11番 室田、13番 中井のセットに替わっても、名古屋が交代したのは1人だけだった。
名古屋のディフェンスは、距離感を失っていた。脚には一時的な疲労が溜まっている。そして、先ほどまでとは明らかにリズムが違うのだ。
森岡選手のえげつないシュートがネットに突き刺さったのは、1分後のことだ。

同点が無いプレーオフ。
1点の重みは、倍以上の重圧で名古屋の選手にもベンチにものしかかる。
相手のゴールマウスには、Fリーグ最強のゴレイロが立っている。

僕の予想は名古屋の勝利だったが、町田の充実度は僕の予想をはるかに超えていた。

ミスマッチを作ることは、采配の妙味。

試合中の監督の大切な仕事に、ミスマッチを生み出すことがある。

自分たちのストロングポイントと、相手のウィークポイントとを重ねるのだ。

トーナメントなどの一発勝負のときや1点を争う戦いをするときは、相手のことを良く知っていれば知っているほど、こういった駆け引きがものをいう。

僕が監督をしているときに、ときどき使っていた方法を、3つご紹介しよう。

  • 捨てセット(時間をつなぐだけのセット)を使って、相手と相性の良いセットを常にマッチアップさせる。
  • 相手にスピードの無い選手がいるときは、そこにスピードのあるドリブラーを配置して、アイソレーションをさせる。
  • 相手の守備の要といえる選手がいる場合は、その選手が交代を求めそうな段階でパワープレーをして引っ張らせて、疲労度を高める。

そして大切なことは、選手にあらかじめ言って聞かせ、納得させること。

「場合によってはこういうような一見おかしな采配をするかもしれないけど、意図があってのことだから、黙って俺の言う通りに従ってくれ。」と

こんな小細工をしなくてもトータルの実力で上回ることができればいいのだが、目標を高く保つと、立ちはだかる壁はより高くなるものだ。

町田と大阪のプレーオフファイナルは、3月3日(金)から。

3月3日(金)19:00より、 岸和田市総合体育館にてプレーオフファイナル1戦目が行われる。

シュライカー大阪が1戦目で引き分け以上なら、2戦目を行わずに優勝決定。

1戦目で町田が勝利の場合のみ、翌日3月4日(土)16:00より、同じく 岸和田市総合体育館にて第2戦、最終決戦が行われる。

 

今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。



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