フットサルを一生の仕事にしたい!
そういうはりきった志(こころざし)があったわけではないですが、競技フットサルチームを率いる中で、チームをプロ化することを目指していた時期が僕にもありました。
僕にとってチームをプロ化するということはすなわち、チームに関わっている人の現在と未来の生活に責任を持つということでした。
ある程度はスポンサー収入に頼らなければならないのですが、選手やスタッフ全員の報酬と、選手をやめた後の仕事(一般的にはセカンドキャリアと呼んでいますよね)を考えると、スポンサー収入だけでまかなうことは無理があると思っていました。
そういうわけで、フットサルに関係することで継続的に利益を上げられるビジネスモデルを、いつも考えていました。
いくつかのフットサル関連ビジネスをやってみて分かったこと。
- 施設運営
- スクール
- 個サル
- ネットショップ
- ウェブデザイン
- DTP
- 協会(連盟)および審判活動
上記は僕が実際に従事したことのあるフットサルに関係する仕事です。これらの仕事をしてみて、ひとつ分かったことがあります。
フットサル関連ビジネスは既得権益が多い。
ほとんどすべてのスポーツビジネスがそうなのかもしれませんが、フットサル関連ビジネスはその多くが、わかりやすく言えば「新たな雇用を生み出しにくい」「先にやっていた者が得をする」という側面があります。
なぜかというと、仮にある程度成功したとしても、大幅に事業を拡大したり従業員を増やしたりするほどの利益が見込めない業態が多いからです。
施設運営はスタッフ数人でまかなえるし、簡単に事業拡大できるものでもありません。仮に事業拡大できたとしても、生活設計に十分な報酬を出せるのは多くの施設が1施設1人~多くとも5人ぐらいまででしょう。引退後のプロ選手を雇う受け皿として物足りないのは事実です。
スクールも施設運営も、あるいは協会関係者になるという道も、誰かが辞めなければ上のポストが空かないというジレンマを抱えています。
ポストが無いから優秀な若い人が離れていく。
フットサル業界には若くて優秀な人はいるのに、そのパフォーマンスに見合った報酬が出せないばかりに、そういった人材が定着しないという問題点を抱えています。では彼らを業界に定着させるには、つまり彼らがフットサルを一生の仕事にすることを選べるようにするには、どうすればよいでしょうか。
その答えは、競技フットサルの真のプロ化にあると僕は考えています。
真のプロ化とは。
僕の尊敬するライターで「嫌われる勇気」の著者、古賀史健さんが、一般の方の質問にこう答えていました。
「これで食える」は、わりかし早い段階で思いました。「(周辺の人たちを)食わせていける」と思えたのは、35歳くらいからです。 #質問箱 #peing_fumiken https://t.co/dDi31PeoSC pic.twitter.com/KXOonQNhtT
— 古賀史健 (@fumiken) 2017年12月29日
この質問者がじつは糸井 重里さんだったという素敵な事実があとで判明するのですが、それはさておき、この答えの中に、真のプロ化のヒントがあるのだと思います。
競技の周りを取り巻く人たちが食えてこそ、真のプロ化。
周りを取り巻く人々とはたとえば、ウェブメディアの制作者の方々やコンテンツを書くライター、動画の編集者や静止画のカメラマン、コピーライターやグラフィックデザイナーやグッズ制作者、チーム関係者なら監督、コーチ、GKコーチ、アナリスト、フィジカルトレーナー、メンタルトレーナー、マネージャー、ホペイロなどの関係者などでしょうか。これらの人たちがそれを生業として食べていけること。もちろん一部には出来ている人たちもいるでしょうが、多くがそれだけでは食べていけないし、セカンドキャリアの不安も抱えていることでしょう。
あるいは協会(連盟)関係者も周りを取り巻く人たちと考えれば、常勤の人がいるということも必要ですね。
選手のプロ化が進まないことが本当に業界発展の妨げになっているのか。
フットサルのトップリーグであるFリーグは、プロ化の面では一部若干の進歩があったものの、11年経った今も発足当初よりはるかに良くなったとは言えない状況です。
そんな厳しい状況の中、選手が食えていないのに、周りの人が食えるわけがないだろうというのが常識的な考え方でしょう。事実、フットサル専門誌の廃刊や、フリーペーパーの撤退などは、それを物語っています。
周りを取り巻く人たちに投資をするとどうなるか。
逆に、周りの人たちが食えるようになることを優先してみると、いったいどうなるでしょうか。選手のプロ化よりも先に、競技の周りを取り巻く人たちに継続的な投資をしてみるのです。フットサルを一生の仕事にする人たちを増やすのです。
皆さんも一度考えてみてください。
はたして、フットサル業界は発展するでしょうか。
ここから先のお話はまた後日。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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