10回対戦して、1回勝てるかどうかだな。
AFCフットサル選手権の決勝戦の前に筆者が心に抱いた、イラン代表に対する我らがフットサル日本代表の客観的な評価だ。
こんな風に書いてしまうと、日本の勝利を心から信じていないお前のような奴がいるから負けてしまったのだと、言われてしまうかもしれない。しかし、直感的にはそう感じたのだから仕方がない。「準優勝おめでとう!」などと思ってもいない事を書けば無事に済むのだろうけれど、それだけでは何も進歩がない。
日本の勝利を信じていなかったわけではない。
勝負は時の運と昔から言うように、様々な要素が勝敗を分けることはもちろん僕だって知っている。前評判が試合の結果に反することだって、何度も見てきた。
明らかに数段格上の相手、それも一流のチームと対戦する無名のチームに所属する息子を応援するような、そんな感情だった。日本の勝利を信じて疑わないというよりは、「スポーツの奇跡は案外簡単に起こせる。頑張れ!」と、祈るような気持ちだった。
0-4というスコアは問題じゃない
前半の日本は、上出来だった。
フィードミスからのカウンターで前半終了間際に1点を失ったが、確かにチャンスは日本の方が多かった。しかしそれでも、どの場面でも相手に脅威を与えていたのは、イランのほうだった。
後半は、その脅威がセオリー通りに結果に結びついた。
案外簡単に起こる奇跡は、今回は起きなかった。それだけのことだ。
10回に1回勝てるかどうかという僕の評価は、前半の健闘で、5回に1回ぐらいに縮まったかもしれない。
しかし、日本とイランの間には、下から見上げなければならないほどの、明らかな差があった。
日本が今すぐにすべきことは何か。
0対4で終わったこの決勝戦を振り返って、ここのプレーを修正するとか、このパス回しの精度を上げるとか、あるいは選手のコンディションをAFCに合わせるために2020年度のFリーグの日程を調整するとか、そういったことが、これから議論されていくのだろう。これまで10数年やってきたように。
しかし、あえて言わせてもらおう。
そんなことを繰り返しても、2年後も絶対に、イランとは互角以上に戦えない。
アジアにおけるイランを、Fリーグにおける名古屋に例えてみれば分かるはず。
イランが名古屋オーシャンズだとすれば、我らが日本代表はさしずめ、プレーオフに出場できるかどうかの瀬戸際のクラブぐらいの実力であろう。
ではその瀬戸際クラブが(選手に大幅な変更を加えないという前提で)、2年後に名古屋と真っ向から勝負して、互角に勝ち負けできるほどの実力をつけるにはどうすれば良いか、考えてみてほしい。
絶対に必要なことは、2年後の2月を目標に、そこから逆算したトレーニングスケジュールを今すぐに確立することである。
そして、それにかかるコストと、その資金調達の可否を検討しなければならない。
今この時点で、2年後の代表候補を発表しても良いぐらいだ。
次のAFCフットサル選手権までは、もう2年しかないのである。
連携不足の一番の解決策は、同じ時間を共に過ごすことだ。それは選手同士だけではない。監督と選手、監督とコーチ、選手とコーチ、すべての人間が相互に、分かり合わなければならない。性格や人格、癖、長所や短所、役割。分かり合っていればいるほど良い。であるならば、人的リソースは今この現時点である程度確定している必要がある。
少なくとも協会は、誰に何をいつまで任せるかということを、明確にしなければならない。
模倣し、学ぶ段階はもう卒業したい。
日本のフットサルはこれまで、良くも悪くもサッカーを模倣してきた。
運営の仕組みではサッカーを模倣し、競技力ではブラジルやスペインなどのフットサル先進国を模倣した。
オールスターで構成した代表チームは、即興で合わせてもアジアでならそこそこ戦えて、何度かに1度くらいは、運や展開が向いたときにイランにも勝てることが分かった。
そして前回と今回、2度のAFCフットサル選手権では、今までと同じやり方で、それ以上の成長(イランと互角以上に戦うこと)は難しいのではないかということを、学んだ。
次は創造するフェーズへ。
何度でも言おう。
次のAFCフットサル選手権までは、もう2年しかないのである。
まだ2年もあるというポジティブな思考は、十分な体制ができている時に持つべき思考だ。
今まで囚われてきた固定観念を、サッカーから継承してきた常識を、まずは疑ってみなければならない。
時代の変化に、柔軟に対応していかなければならない。
日本のフットサルの確固たるプレーモデルを創造して、それを実現するための意志を、JFAには見せてほしいと、切に願う。
2年後はもう、これほど悔しい思いをしたくない。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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