フットサル人口が年々減っている。
レジャー白書(公益財団法人 日本生産性本部)によれば、フットサルの競技人口は2011年の370万人をピークに、2012年は280万人、2015年には150万人まで減少しているようだ。
競技人口が減っている現実を、そろそろ認めてもよいのではないか。
Fリーグのウェブサイトには、2016年をマイルストーン(節目)に、愛好者を400万人に増やすと明言している。
情報源: 日本フットサルリーグについて|ゼビオFリーグ公式サイト
2007年にFリーグが始まったことで、自然に競技人口も増えると考えていたのだろうか。
実際、2011年には愛好者は370万人まで増えた。この愛好者というのがあまりにも曖昧なので、競技フットサル選手としてJFA(日本サッカー協会)に登録した選手数も一緒に見てみよう。
年度 | 2011年度 | 2015年度 |
愛好者数 | 370万人 | 150万人 |
フットサル選手登録数 | 125,608人(参考) | 44,211人 |
選手登録数の情報源:日本サッカー協会 データボックス
フットサルが右肩上がりの業界だったのは、Fリーグが出来て4年後までだ。
そろそろみんな目を覚まして、現実を直視するべきではないか。
なぜ減ったのか。
問題を解決するには原因の調査・分析が不可欠だが、僕にはそこまでする理由がないので、想像で原因を3つ挙げてみた。
競技人口が減るということは、(当たり前だが)辞める人の数が始める人の数を上回っているということである。
世代の問題ではないか。
2002年日韓W杯がフットサルブームの火付け役となったと言われているが、その頃20~30歳ぐらいだったプレイヤーは、15年経って、35~45歳になった。いわゆる、いい歳である。
かくいう僕も2002年頃にフットサルを始めて、今46歳だ。現在ではフットサルをする頻度は年に2~3度で、かろうじてレジャー白書のフットサル競技人口のひとりといったところか。
ブームが去ったのではないか。
一時期は、サッカー経験のない男性も女性も、友人に誘われてフットサルをするようになった。
ボールを蹴る楽しさには、経験者も未経験者も性別も、関係ない。
フットサル施設は多くがチーム登録制なので、フットサルをやりたい人は、まずチームを探した。
数多くのチームが出来て、インターネットの普及、フットサル施設の増加とともに、誰もが好きな日にフットサルが出来るようになった。
はじめはエンジョイでスタートした層も、回を重ねるごとに、競技性を追求したくなる派(競技志向)とまったりエンジョイしたい派(エンジョイ志向)にベクトルが分かれていく。競技志向は少数派、エンジョイ志向は多数派だが、チームのコンセプトが競技志向にシフトすると、エンジョイ志向の人は居心地が悪くなって、足が遠のくだろう。
若い人が溶け込みにくいのではないか
これはあくまで個人的な偏見だが、「おっさんは若者にダメ出しをしたがる生き物」であると思う。そもそも若者がおっさんだらけのコミュニティに入るのは、かなり勇気のいることだ。
フットサルは大学生のレクリエーションとしては最高のスポーツだが、大学を出て就職すると、みんな散り散りになってしまう。就職してから学生時代とは別の土地でフットサルを始めようと思うと、そこでまたチームを探さなければならない。
それが面倒な人は、個サル(個人参加型フットサル)に参加するのだ。ところが、個サルも年々競技志向化が進んだことで、若干敷居が高くなったように感じる。
また、Fリーグが出来てフットサル選手を目指す若者が増えるのではないかと安易に考えていたが、蓋を開けてみると、実際は逆だった。フットサル選手は夢の職業ではなく、「モラトリアム期間に趣味としてやるもの」という位置づけが出来てしまった感がある。
ではどうすればよいのか。解決策を考えよう。
シニアの受け皿を作ろう。
この高齢化社会だ。フットサルだって高齢化の波が押し寄せている。
前にもこのブログで書いたが、サッカー協会やフットサル連盟はシニアリーグを整備しなければならない。
月イチの試合のために、月2回ぐらいの頻度でチーム練習して、あとは各自ジム通いや個サルで調整するという、ライトな競技志向があれば、40代でも50代でも続けるのではないか。フットサルを辞めてしまう人を減らす努力をするべきである。
チーム登録はナンセンス。個人登録にするべきだ。
民間フットサル場のチーム会員がナンセンスである。
チーム会員はメンバー料金でコートを利用できるが、登録するのはチーム代表者の数名だけである。
したがって、例えばチームのメンバーが20人いたとしても、チーム代表者がフットサルを辞めてしまえば20人の顧客を丸ごと失うことになる。
個人会員にするべきだ。
フットサル場は、個人ひとりひとりを会員として登録するべきである。手続きは面倒だが、後の集客を考えた時には、絶対にその方が良い。生き残れる施設は既にやっていると思う。
JFAと日本フットサル施設連盟は、もっと業務提携をするべきである。
施設連盟はJFAへのフットサル選手登録を斡旋するといい。
JFAに集まる個人情報を有効活用して、集客に利用できる。
僕がJFAの幹部なら、施設連盟に手数料を払ってでもそうする。
施設連盟は、JFAに選手登録した人を個人会員として全ての施設を会員料金で利用できるようにすればよい。エンジョイ層もすべての人がJFAに登録して、民間フットサル施設を利用するようになる。
民間フットサル施設はJFAの持つ膨大な量の個人情報をピンポイントで集客に利用できるし、JFAは登録選手数を増やし、Fリーグへの集客につなげることもできる。利用者にもメリットが沢山あるはずだ。
ある程度年齢別に分けることをスタンダードにするべき。
U-12、U-15、U-18、大学ぐらいはカテゴリとして定着してきた感はあるが、23歳をすぎると全部一緒という現状があるから、若者が入りにくいのだ。同年代同士でチームを作って、同年代同士で順位を争うというプラットフォームを作ることが、若者のためのエントランスを広げることに繋がると思う。
まとめ
色々書いてみましたが、まだまだ書き足りないことは沢山あります。
Fリーグをすべてプロ化することが出来れば多くの問題が解決出来る気もしますが、今の日本では例えバブルの頃のように景気が良くなったとしてもプロ化は不可能でしょう。
スポーツをギャンブルのコンテンツとして認める法律ができれば可能性は無くはないと思いますが、実現には程遠い。
この件(Fリーガーの収入にまつわる話)については、またいつか別の記事にしたいと思います。
JFAは結局、サッカーファミリー全体を見ているのでしょうね。
フットサルはウェイト的にサッカーファミリー全体の5パーセント程度なので、熱量も低いのでしょう。
フットサルプロパーがJFAの中枢に入っていけばこの現状も変わっていくでしょうか。
とりあえず、あきらめずに気長に期待しております。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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