フットサルチームの交代戦術に、セット交代という交代方法がある。
フィールドプレイヤー(FP)4名を固定して(セット)、2組以上のセットをまるごと交代するという方法だ。
フットサルは何度でも自由に交代ができるので、その交代の際の人選方法のひとつである。セット替えと呼ぶ場合もある。
多くの競技チームが採用している、セット交代。
僕もかつてこの方法を採用していた監督のひとりだ。
僕の場合は2セットに分けていた。
ひとつは4-0(クアトロ-ゼロ)セット。
もうひとつは3-1(ピヴォ当て)セットだ。
選手の嗜好、プレー適性、選手同士の相性、性格などを考慮して、選手をどちらかのセットに分けた。
時には両方のセットを兼ねる選手もいた。
セット交代のメリット
セット交代のメリットは色々ある。例えば以下のようなことだ。
- 戦術的ストロングポイント/ウィークポイントの把握が容易。
- 個人に求める役割を明確化できる。
- 細かい動きの擦り合わせが、より深く掘り下げてできる。
- 試合中、タイムアウトを取らなくても戦術の確認ができる。
- 交代戦略がシンプルになるので、万が一監督が不在でもそれなりに機能する。
- 少人数になるので、意思の疎通、コミュニケーションの円滑化が図れる。
特に、試合中に流れを変えたかったり、指示を徹底したかったりするとき、まだタイムアウトを取りたくないという場面は何度も起こりうる。そんな場合には、セット交代であればタイムアウトなしで合理的に指示を出すことができる。これがセット交代の最大のメリットと言っても過言ではないだろう。
セット交代のデメリット
セット交代は、多くのチームが採用している割に、デメリットも意外と多い。
- 対戦相手に対策を立てられやすい。
- チームが分裂(チーム内に2チーム存在)するような感覚に陥ることがある。
- セット間に優劣が生じる場合がある。
- 紅白戦がマンネリ化してしまう。
- 選手間に持久力の差がある場合、スタミナのある選手にとっては(出場時間的に)物足らなさが残ることがある。
- 都合などで選手が足らずセットを組めない状況になった時、監督が途方に暮れる。
試合でチームが上手くいっていないときに、こういったデメリットが顕在化することもある。
例えば、ひとつのセットが出ている時間帯にかたよって得点が生まれ、他方のセットが出ている時間帯に失点が重なって負けていたりすると、セット間で不満が出てしまう。
流れとは、思考のうねりである。
試合の流れというものは、選手達の思考が重なり合って生まれる、目に見えないうねりのようなものである。
得点経過が悪い方向に向かっている時にチーム内に不協和音が生まれると、試合の流れはより悪い方向に流れようとする。
こういった時のメンタルコントロールは、セット交代の場合には特に、やりにくさがある。
マンネリ化は危険。
僕らが採用していたセット交代では、チームの紅白戦は常に、クアトロ対ピヴォ当ての図式になった。
少し狭いコートでの練習で、最後に行う大事な紅白戦が、対戦相手の攻撃戦術がいつも同じだった。今だから笑いながら言えるが、これはトレーニングの方法として非常に危険な方法だったように今さらながら思う。
まとめ
2016シーズンのFリーグでは、シュライカー大阪 木暮監督の「超ローテーション」という交代メソッドが話題を呼んだ。
セット交代が主流の現在のFリーグにおいて、その逆をいく交代方法である。
セット交代には多くのメリットがあるが、長期間に渡ってこの方法を採用し続けると、デメリットが必ず出てくる。交代メソッドに関するデメリットは選手の思考によって解決可能なことが多く、いずれにしてもデリケートな内容になるので、あまり多くは語られない。
やはりこれも、「結局はメンタル」というひとことで片づけられる内容である。
今日も最後までお読みいただいてありがとうございました。
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